5章の実況動画と、アイドル誕生応援番組とか、過去見た色々な漫画とかがごっちゃになったであろう夢。
ダンスアイドルグループとしてデビューを目指すオレ達。今日のオーディションで勝ち残れば実績となり、デビューに一歩近づく。
ついさっき発表された課題。
この街の中で、この街の人たちが映る、PV撮影をする。街の人たちは、色々な方面から事前に集められた人がエキストラとして参加グループに割り当てられた。
オレ達と組むのは地元の小学生2〜30人と、普段は工事現場で働く人たちだ。
撮影はオーディション側のプロが担当してくれるから、オレ達がやるのはPVの構成を考えること。
オレ達のパフォーマンスが最大限魅力的に見えるような構成を。どこを背景に、どのタイミングでどうアップにするか。エキストラの人たちにはどう入ってもらうか‥。
オレ達が真剣に話し合いをする横で、小学生たちが少し興奮気味にお喋りしている。「これTVに映るかな?」「えー!映るの!?どうしよう、録画頼まなきゃ!」「え。通行人とかだよ、きっと。顔なんかわかんないよ。」
工事現場の人達は10人位だが、落ち着いた人が多いようで、特に雑談もせず、指示待ちしてるような感じだったが、小学生たちの雑談をきいて、何やら仲間内で集まって話しだしたと思ったら、オレ達の方へやってきた。
「すまない、ちょっといいか。」
「あ、はい。何でしょうか。」
「これはアンタ達にとって大事な撮影で、おれらはただのエキストラってことは分かってる。だから、まあ、無理のない程度でというか、もし、出来たらでいいんだが‥」
「はい‥?」
「あそこの子供ら、できたら顔映してやってくれんかなぁ。TVに映るかもしれないんだろ?そんな機会、なかなかないからな。学校の友達や親戚に自慢したいらしい。俺にもあれくらいの年の子供がいるもんで、出来たら叶えてやりてぇなと思ってよ。」
俺は初めて、子供たち一人一人をみた。それから、工事現場作業員の人達をみた。
そうか‥。この街で、この街の人達と。
オレ達は、オレ達のために、オレ達が1番カッコよく見えるPVを作ろうとしていた。
だけど、違うんじゃないか?
この街で、この街の人達と一緒にとること。その条件の意味は?このPVを撮らせる目的はなんだ?
誰のためのPVだ‥?
‥思い出した。
オレ達が歌う意味。踊る意味。なんでアイドルになりたかったのか。
見てくれる人達に笑顔になってほしい。
そうだ。
このPVを1番楽しみにして見るのは、きっと、この地域の人達だ。
それなら、オレ達がやることは‥。